大学生のとき(2)

彼女に浮気をされてから一年くらいは、恋人なんて要らないと思いながら生活してきた。もうあんな思いをするのは嫌だった。

ところが、ボランティアのサークルで後輩の女の子と仲良くなった。付き合いがよく、皆で一緒に飲んでいた。

彼女は女子校出身で、恋人ができたことがなかった。処女だった。年下ながら包容力があり、ぼくは惹かれていった。

理由をつけては二人きりでデートをし、告白して付き合った。大学生だったから時間もあり、色々なところにデートに行った。

クリスマスにセックスをした。処女だったが、血はでなかった。ただ、ものすごい征服感だったのを覚えている。彼女はぼく以外の男を知らないのだ。その事実が嬉しかった。

その後、特にケンカもせず過ごし、ぼくは大学を卒業して社会人になった。土日も仕事になることが増え、彼女との時間を作れなくなった。申し訳なく思った。

そして、仕事を辞めた。辞めて地元に戻ってきたら、彼女からフラれてしまった。現実的に考えれば当然だ。遠距離恋愛だったし、ぼくには先の見通しがない。でも、とても悲しかった。

結婚すると思っていたが、結局それは叶わなかった。その事実がぼくにのしかかってきた。見捨てられた気分だった。

惨めだった。