20171020

ここ一週間ほど、ぼくはまた気分が沈むようになっていた。友人の結婚式に出るために上京し、久々に友人に会ってきた。すばらしい結婚式だった。

 

帰ってきてから、時を同じくして旅行に行っていた妻と二日ぶりに会った。妻は上機嫌だったし、いろいろと話ができた。ぼくもいろいろな土産話をした。話せて嬉しかった。

 

だが、週明けから妻の仕事が忙しくなり、持ち帰りで仕事をするようになった。苛立っていたし、話ができるような雰囲気ではなかった。

 

忙しい時期が終わって週末を迎えた。妻と夕飯を食べ、その後に晩酌をする予定だった。しかし妻はテレビやスマートフォンに夢中で、まったく喋ってくれなかった。晩酌もせず寝てしまうだろうな、と思い、ぼくは悲しくなって先に布団に入った。ないがしろにされた気分だった。布団に入ってからも寝られず、仲のよい友達にLINEで相談をしていた。

 

翌朝、ぼくは早くから外出した。携帯の調子がおかしいからで出かけるという名目だったが、実際は彼女に不信感を抱いていたからだった。見捨てられたとか、浮気をされたとか、そういう考えが頭から離れなかった。

 

携帯の修理を終え帰ってくると、彼女から「なんで昨日は早く寝たの?」と訊かれた。ぼくは素直に、不貞寝だったと言った。そして、少し話をした。

 

昨晩は晩酌をするつもりだったということ、不貞寝をしても慰めには来ないということ、日々の仕事で疲れているから一人の時間も一人の時間もほしいということ。そんなことを話した。話したら少しスッキリした。

 

その日の夜は晩酌をして、一緒に寝た。幸せだと思った。